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LIFE創刊とFSA - アメリカフォトジャーナリズムの2つの方向

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戦前の報道写真は、2つの傾向に分化し、それぞれが発展していくように見えた。しかし、ドキュメンタリー的な報道写真は、第二次世界大戦により、一時的とはいえ、なりを潜めざるをえなくなる。

LIFE創刊とFSA - アメリカフォトジャーナリズムの2つの方向

報道写真黄金期開始の仕上げは、LIFE創刊(1936年)である。黄金期の報道写真を体現するかのように出現したのが、アメリカのLIFE誌で、写真を主体に、写真によりニュースを伝えるという雑誌で、今では、特段目新しくないが、当時としては画期的なグラフ誌であった。創刊号の表紙写真は、マーガレット・バーク=ホワイト(Margaret Bourke-White; 1904年-1971年)が撮影した発電所(TVAダム)の写真で、女性が写真家として大きく活躍出来るという事を、如実に示す事になった。

LIFEに象徴されるように、報道写真を徹底して「商品」としてとらえるような傾向が強まっていくのとは対照的に、一方で、FSAの写真家たち、すなわち、ウォーカー・エヴァンズ(Walker Evans; 1903年-1975年)、ドロシア・ラング(Dorothea Lange; 1895年-1965年)、ラッセル・リー(Russell Lee; 1903年-1986年)、カール・マイダンス(Carl Mydans; 1907年-2004年)、アーサー・ロススタイン(Arthur Rothstein; 1915年-1986年)らが登場し、淡々と、大恐慌時のアメリカの農村の惨状を切り取っていく。戦前ドキュメンタリーの1つの到達点であり、その輝きは、50年以上たった現在でも、色あせていない。

このように、戦前の報道写真は、2つの傾向に分化し、それぞれが発展していくように見えた。しかし、後者のドキュメンタリー的な報道写真は、第二次世界大戦により、一時的とはいえ、なりを潜めざるをえなくなる。

なお、上記2つの傾向のうち、後者が、写真家個人の視点を残した報道写真であったのに対して、前者は、写真家個人の目を通して、読者の視線(読者の欲望(見たいという欲望))を示した作品群であったといえるため、前者の報道写真が成立したその時点で、報道写真家における写真家の個性の希薄化や写真家名の欠如は、当然に予想されていたといってもいいかもしれない。

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